やえたんの部屋

20代陰キャ女子の読書・映画鑑賞日記

コルセット

 

エミリー (集英社文庫)

エミリー (集英社文庫)

 

 

この中に収録されている「コルセット」というお話です

 

ロリータファッションに興味があり、そのつながりで知った作家さんなのですが

本を読むと決めてからこの作家さんの本ばかり読んでいます

 

◆ 

 

終始、私は主人公が思いを寄せる女性、”君”へものすごく親近感を感じながら物語を読み進めていました

 

”才能や技術や夢や目標を持っている人にとても劣等感を感じる”

”全てのことに自信がない”

”自分の意思を人に伝えるのが、意見を主張するのがとても恐い”

 

とてもわかる

私も「すみません」をいつもつい言いがちです(何も悪いことしてないのに)

 

 

そんな”君”には婚約者がおり、二週間後に結婚するということを知った時点で、

この物語にハッピーエンドはなく、主人公の”僕”は自殺する結末だろうと予測していた(安易)ので、主人公が「僕は死なない」と宣言するエンディングは予想外でした。

 

そして、”君”が新婚旅行中に主人公へ書いた手紙には、

「日本に帰ったら、逢って下さいますよね。絶対、逢って下さい。」

とありました。 

自分の意思を人に伝えるのが、意見を主張するのがとても恐いと言っていた”君”らしくなく、しっかりとした逢いたいという意思が感じられます

 

誰かを、何かを本当に好きになるというのはこういうことなのかな、と感じました(漠然)

 

私はこの物語の結末がとても好きです

現実は不倫ということになるのでハッピーエンドとは言えないかもしれないけど。

 

こんなに応援したくなる不倫があるとは、、